平成１３年１月１１日　北國新聞朝刊

（平成１３年１月１１日　北國新聞朝刊）

学生が講義ボイコット
　　前法学部長から講師変更で

　北陸大（金沢市）で１０日午後、前法学部長の初谷良彦氏が担当していた外国語学部「憲法Ⅰ」の講義を多数の学生がボイコットする騒ぎがあった。大学側は初谷氏について先月２２日付で退職としており、講師を別の助教授に変更したが、大半の学生らが納得せず退席した。
　関係者によると、初谷氏が２年生１４０人の履修する外国語学部の「憲法Ⅰ」の講義のため教室に入ろうとしたところ、教職員数人が同氏を阻み、別の助教授が約１００人の学生を前に講義を始めた。その直後、１人の男子学生が声を上げ、約９０人の学生が教室から廊下に出た。これに対し、河島進学長が教室に入るよう諭したが、約１０人が戻るにとどまった。
　１０日はこの講義に先立ち法学部１年生を対象にした「憲法Ⅰ」の講義があり、初谷氏は教室に入ろうとして同様に教職員に阻まれたが、講義に混乱はなかった。
　北陸大の中川幸一専務理事は「初谷氏の退職に伴う講義計画は既に決定している。今後もその決定に基づいて冷静かつ適正に対処したい」と話している。
　初谷氏は先月、「大学側の退職日決定は一方的で不当」として地位保全の仮処分を金沢地裁に申請している。

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